コールマン一色だったキャンプ場
代表的なアウトドアブランドといえば、大人も子どもも「コールマン」の名を挙げるのではないでしょうか。
今でこそ日本のキャンプ場にはさまざまなブランドのテントが立ち並びますが、昔はまさにどこを見てもコールマンのテントばかりという時代がありました。
もちろんコールマンは日本のメーカーではなくアメリカのものですが、1976年にはすでに日本法人が立ち上がりました。
現在のコールマンジャパンは「ザ・コールマン・カンパニー」のグループ会社の日本支部ですが、前身はそんなにも長い歴史を持つ老舗なのです。
日本のアウトドアブームを牽引した国内指折りのトップブランドは、子どもたちにとっても、もちろん大人たちにとっても、かけがえなく馴染み深いものとなりました。
アウトドアにおいてコールマンのロゴは、「信頼」と「カッコよさ」、そして未知なるわくわくの象徴となったのです。
知られざるコールマンの歴史
コールマンが創業したのは、1900年頃のアメリカオクラホマ州です。
創業者はウィリアム・コフィン・コールマン氏で、創業当初はガソリン式ランタンを販売していました。
現在でこそコールマンといえばファミリーの人気テントとして知られていますが、今も歴史を知り、ガソリンランタンに魅力を感じるキャンパーも少なくありません。
「オールドコールマンランタン」は今もキャンパーの憧れの品であり、時を重ねたからこその重みと渋さを求めて、使えるものを中古市場で探す人が絶えません。
とはいえ、創業者のコールマン氏は最初から挫折を味わうことになります。
1900年代のアメリカは灯油ランプが主流の時代であり、ガソリンランタンはずっと輝度が高く有用だったにもかかわらず、まったく売れませんでした。
慣れた生活に未知のものを取り込むのはなかなかハードルが高いものですが、コールマン氏はそこであきらめません。
なんと「使えなければお代はいらない」という現在の返品保障のようなビジネスモデルを考案し、ガスランタンのレンタル事業を始めたのです。
1905年頃になるとこのレンタル事業が軌道に乗り始め、拡大することになります。
ところが当時のガスランタンは故障が多く、コールマン氏は丁寧にメンテナンスも手がけていたのですが、その費用が徐々に課題になってきました。
これを解決するには品質そのものを高めるしかないと考え、クオリティの高い製品の開発とレンタルからの脱却へと乗り出します。
それでもエジソンが白熱電球を発明し一気に普及し始めると、1914年頃には事業が危機を迎えます。
そこでコールマン氏は電気の届かない場所での商売を狙い、ついにアウトドア用全天候型ガソリンランタンを開発、大成功するのです。
1923年からは、オートキャンプのブームに乗り、アウトドアストーブの販売も開始しました。
第二次世界大戦時には「GIポケットストーブ」という暖房機器を開発し、軍にも貢献したことがわかっています。
このように画期的なガスランタンを開発し続けてきたコールマンですが、日本では1976年に漁業用の照りとして輸入され、そのときに日本法人が立ち上がります。
これが「日本コールマンinc」であり、現在のコールマンジャパンの前身です。
その後1984年に「日本法人日本コールマン株式会社」となり、1992年にコールマンジャパンとなりました。
翌1993年からは日本のアウトドアブームを予見し、ファミリーにも人気のテントや寝袋などのキャンプギアのほか、オリジナルの人気商品の開発を本格化させたのです。
こうして日本でも着実に歴史を刻んできたコールマンだからこそ、今でもアウトドアブラントといえばコールマンとキャンパーが口を揃える存在となったのでしょう。
現在もアウトレットショップや直営店など全国に展開し、2011年からは子どもへ自然体験を提供し災害支援や防災サポートを行う「未来を照らそうプロジェクト」も活動しています。
柔軟に時代を乗りこなしてきたブランド
コールマンは数々の社会的需要の変化を経験しながら、その都度新しい時代を見据えて舵を切り、生き抜いてきたブランドと言えます。
この柔軟さ、あきらめないフロンティア精神、先見の明があってこそ、今なお変わらずしっかりと地に足着いた経営が続けられているのでしょう。
まさに大自然の中、状況変化をいち早く察知し、サバイバルし続けるアウトドア精神に通じるタフネスです。
この理念はコールマンの製品にもよく現れていて、独創性や挑戦、強みを活かした堅実性は変わりゆく時代の中でも脈々と受け継がれています。
ランタンから始まったコールマンがいかにその姿を変えたとしても、今なおロゴにランタンの明かりを灯していることに深く感動を覚えるのは、おそらくキャンパーばかりではないでしょう。
コールマンはなぜこんなにも魅力的なのか
長い歴史があり、日本でも親しまれ続けてきたことがわかりましたが、なぜ多くの人がそんなにもコールマンを愛し続けているのでしょうか。
コールマンに感じる魅力はもちろん人それぞれですが、やはりその耐久性や強さ、アウトドアでの信頼性の高さは外せない要素でしょう。
早くから日本をマーケットとしてきただけのことがあり、日本の自然環境に沿ったキャンプギアが数多く開発されていることも特筆できます。
コールマンの人気テントは防水性に優れ、軽く紫外線劣化にも強いため高いクオリティを誇ります。
キャンプ地やキャンプスタイルに合わせて選べるようバリエーションも豊かなため、初心者からベテランまで希望にマッチするテントを探すことができるでしょう。
品質も信頼性も高く、オートキャンプでもファミリーキャンプでも長く使える安心感が大きな魅力です。
また、単に頑丈で強いというだけでなく、高いデザイン性も大きなポイントです。
コールマンのキャンプギアはカラーバリエーションも豊富で、「所持したい」と思わせる独特のかっこよさがあります。
そして力のない人にも選びやすく設営が簡単なベーシックモデルも揃い、シンプルな構造でファミリーが使うのにも十分なサイズが揃っているのが魅力でしょう。
質実剛健でタフなギア
コールマンのギアは、テントに限らずどんなものでも作りこまれた完成度を感じることができるのです。
使えば使うほど履きつぶしたデニムのような魅力が生まれ、洗練された強さと美しさが中からにじみ出てきます。
この質実剛健でタフな存在は、使っていて飽きが来ない、伝統製品に共通する魅力があります。
使えば使うほど馴染んでくる、自分だけの使い心地がコールマンのギアの特徴と言えるでしょう。
数あるテントの中から自分に合う逸品を
コールマンのテントは非常にオーソドックスで耐久性も高いため、中古市場でも変わらず人気のある商品です。
たとえばコールマンのすべてのテントのフライシートにはUVPROが使われおり、軽く防水性や紫外線劣化にも強い特徴があります。
普通に使っていればすぐにボロボロになってしまうなんてことはまずないため、安心して中古市場でも売買ができます。
